TradFit株式会社様との対談~新たな挑戦に共感・応援~
―TradFit代表取締役の戸田様とiGEM Qdaiチームリーダーの本屋敷、Humanpractice担当
の鶴巻で対談を行いました。以下敬称略とさせていただきます。
本屋敷、鶴巻:本日はよろしくお願いいたします。
戸田:こちらこそ、本日はよろしくお願いいたします。
-今回は、iGEM Qdaiの活動内容を軸にお話させていただきたいと思います。
戸田:よろしくお願いいたします。合成生物学という新たな分野に興味・関心を持っています。
その中で、遺伝子工学、制御工学、進化生物学、ゲノム編集など、合成生物学は生物×工学
が絡み合うので、対象領域が広いと想像しています。その中で、なぜ合成生物学を研究対象
とし、ハードウェアを生産普及させたいと着想されたのでしょうか?
本屋敷:理由としては、合成生物学が未開拓分野であるということが大きいです。新しい市場
として、合成生物学で市場に進出していく際に、法律や安全性の課題、世間からの遺伝子組
み換え食品に対するイメージなどの日本におけるバイアスというのは根強いと感じています。
バイアスを取り除きながら市場を開拓していくファーストステップとして我々のプロジェクトが日
本の中で普及して欲しいと思っています。また、合成生物学を利用することで、日本の枯渇性
資源課題の解決にもアプローチできるのではないかと考えています。
戸田:ご丁寧な説明、ありがとうございます。先ほど「バイアス」という単語が出てきたように
、iGEM Qdaiの活動内容には、法規制や倫理面で困難な点などがあるかもしれません。それ
らについてどのように考えているかよろしければお聞かせくださいませ。
本屋敷:まず、バイアスの払拭に対してですが、iGEM大会の中にScience Communication
という合成生物学の普及を目的とした分野があります。その中で、実際に私たちも取り組んで
いくことになると思います。まず、重要なのは合成生物学に対する偏見がどのように広がって
いるかの分析が必要と考えています。例えば、品種改良と遺伝子組み換えの違いを理解して
いない事が原因になっているといったようなことです。また、安全性についての担保も重要で
あると考えています。細胞の情報が外にリークしないように細胞をデバイス内で自動死させる
といった抑え込みの技術を確立させたいと考えています。
戸田 ご丁寧な説明ありがとうございます。私自身、素人ながらも少しずつ理解が深まってま
いりました。
本屋敷:ありがとうございます。
ー今回、TradFit様はiGEM Qdaiのスポンサーとなっていただきましたが、その理由をお聞か
せください。
戸田:弊社の事業内容とiGEM Qdaiの活動内容は異分野です。しかし、新たな取り組みにチ
ャレンジしているという点にとても共感しました。私たちも社会問題解決、それらを通じた雇用
創出、循環型地方創生、今後のスマートシティ化を見据え、国内外のパートナー企業と共に
「三方良し」を軸に新たな取り組みに挑戦し、活動しています。この度は社会課題解決を目的
とし、新たな取り組みにチャレンジしている学生の皆様に共感し、応援させて頂きたいという
想いで協賛させていただきました。
ーありがとうございます。続きまして、HumanPractice担当の鶴巻からいくつかご質問させて
頂きます。
鶴巻:よろしくお願いします。SDGsと合成生物学の繋がりについてご質問させて頂きます。私
たちは、枯渇性資源を利用したセンサーや機器等を合成生物学で代替することや枯渇性資
源の回収に焦点を当てて活動しています。TradFit様でもSDGsや社会課題解決に向けての
取り組みを行っていると伺っておりますが、具体的にどのような活動を行っているのでしょうか
?
戸田:私たちが主にサービスを提供させていただいている分野が国内外の観光・宿泊・小売
業界などです。これらの業界では、コロナ前後で状況が一変し、多くの深刻な問題が存在して
います。コロナ以前も人手不足、多言語対応、清掃会社の匠の方々の高齢化などの課題が
挙げられます。足元のコロナ渦、アフターコロナを見据えて考えると、再び観光業は爆発的に
復活すると確信しています。その中で、コロナ前の社会課題やその後の社会課題の解決を通
じて国内外のパートナー企業や各都道府県・行政を含め、オープンプラットフォームで、「三方
良し」を軸に事業展開を推進し、社会課題の解決を通じ雇用創出や国益へ寄与していく考え
です。具体例としましては、今年からアルビレックス新潟様、アルビレックス新潟レディース様
とのオフィシャルクラブパートナーやスポンサーになり、プロスポーツ運営、各種スポーツ選手
、クラブやスポーツ選手のファンの皆様、同様にオフィシャルクラブパートナー企業やスポン
サー企業の皆様と共にスポーツを盛り上げ、それらを通じた地域の循環型地方創生の取り組
みを進めて参ります。
鶴巻:ありがとうございます。iGEMにも作製したパーツ(遺伝子の組み合わせ)を各チームが
公開して、別のチームが利用する事が可能となっており、共通する部分があると感じました。
今回の対談を通じて、私たちの活動に対する課題や新たな視点を得ることができたと思いま
す。
本屋敷:今後の活動に対しても、新しいことにチャレンジし、活動に対するフィードバックを得
ながら、より良い活動にするという精神を忘れずに活動していきたいと思います。本日はあり
がとうございました。
戸田:本日は学生の皆様の貴重なお時間を賜りまして、誠にありがとうございました。今後の
益々の活動、チャレンジ、ご活躍を心より応援しています。
ー以上、TradFit株式会社、代表取締役の戸田様との対談でした。
記事作成者:森山